バナナ?いいえ、傘です。「Tumao 折りたたみ傘 UN-BANANA」

バナナ型傘

Tumao 折り畳み傘 UN-BANANA

ある雨の日の午後、私は自宅で考え事をしていました。
「もうすぐ姪っ子の7回目のお誕生日だ。何をプレゼントしようかなぁ…」
ぼそりと私が呟くと、部屋のどこかから物音が聞こえました。
「ん?今何か聞こえたような気が…」
しかし今日は何の予定もない休日。私は独身で、ワンルームのアパートに暮らしています。部屋には私しかいないはず。
怯えながら部屋を見渡しましたが、やはり部屋に人影はありません。
気のせいか…と思いながら何気なく視線を落とすと、テーブルの上にバナナがありました。

「バナナなんて買ってたっけ…」と首を傾げていると私のお腹がぐぅぅと低い声を上げました。そういえば今朝から何も口に入れていません。とりあえずこれで飢えをしのごうとバナナに手を伸ばしたその時、
「こんにちバナナ」と言う声がしました。私がぎょっとして手を引くと「怯えないでください、私は決して怪しいものではありません。」と、確かにバナナから声が聞こえます。きりりとした男性の声です。私は先ほどの物音の犯人がこのバナナであると確信しました。そもそも、この物体はバナナなのでしょうか。彼は動きませんが、どうやら私と話すことが出来るようです。彼はUN-BANANAと名乗り、私の悩みである甥っ子の誕生日プレゼントの事に触れました。
「私はあなたの悩みを解決できます。」と自信たっぷりな口調で彼は言います。

「私を貴方の甥っ子さんにプレゼントしてください。」

私は目をまん丸にしました。バナナが喋ったと思ったら、今度は自分をプレゼントにしろと言うのです。
「実は私はバナナではありません、バナナ風の傘です。私をプレゼントにすると良いことが沢山ありますよ。」と彼は続けます。
私は考えました。正直なところ、これは願ってもない話でした。姪っ子はバナナを好んで食べていた。きっとこれをプレゼントすれば彼女は飛び跳ねて喜ぶでしょう。私はUN-BANANAに言いました。
「お前のことを詳しく教えてくれ、俺はお前を姪っ子にプレゼントしたいんだ!」


「私の魅力をみなさんにお伝えしますよ」とUN-BANANA。ご丁寧にシールまで貼ってあります。

「ジョークですよ。」

「ぶっちゃけ傘だと分からなかったでしょう。」
私は頷きました。鮮やかでところどころ薄黄緑色を帯びた黄色、そして皮のツヤツヤ感。どこからどう見てもバナナです。
「私の頭を引っ張ってみてください。」
言われるがままに彼を掴んで上の部分を引っ張ると…
皮がするりと外れ、中から現れたのは折りたたみの傘でした。どうやら頭にあたる部分は持ち手になるようです。
「本物のバナナにそっくりだから、フルーツバスケットに紛れ込ませて家族や友達を驚かせることができます。いたずら好きな子供たちに大ウケすること間違いなしです。ただし、私をスーパーに持って行かせるのは少し危険かもしれません。万引きと間違われてしまう可能性がありますからね。ハハッ、ジョークですよ。」

携帯しやすい

「私のサイズは500mlのペットボトルよりやや背が高く、太さはややスリムな程度ですから、ちょっとした手提げ袋などにも入れやすいです。また、私の重さは290gほどですから、子供が持っても負担になりにくいです。」


私は彼を手元にあったお茶の隣に置いてみました。彼の方がお茶よりも軽いはずなのに、やや俯き加減でお茶にもたれかかる彼はなんだか頼もしくも見えました。

中棒(骨組みの中心を通り、手元と繋がる棒)の長さは40cm前後です。

かばんにも優しい

「私の優れている点は見た目だけではありません。傘としての撥水性も抜群で、水をしっかり弾きます。使用後に軽く水をはらえば、おおよその水気を切ることができますし、ケースに入れてしまえば水でかばんが濡れる心配もありません。うっかり使用後の私をカバンに収めても大丈夫。ただし、その際はお家に帰ったら私をケースから出し、広げて乾かしておいてくださいね。」

意外にもタフ

「チャーミングでありながら、丈夫な6本骨仕様で壊れにくいことが私の強みです。突風に強いので、吹きつけるような雨に対しても遠慮なく使っていただけると思います。また、傘骨と傘先が一体化しているため、傘の先が抜けにくくなっています。やんちゃな子に多少振り回されても大丈夫ですよ、私はむしろそういう子が好きなくらいですからね。あ、でも傘を振り回すのは危険なので、私をやんちゃな子にプレゼントする際は気をつけるように教えてあげてくださいね。」

傘を開いた状態の内側の様子。骨組みが丈夫で、簡単には折れそうにありません。傘先は細くてしなやかな骨組みを用いることで、傘の破損を防ぎます。

エピローグ

「これであなたの悩みは解決されましたね。」
私はすっかり彼の魅力に惹かれていました。これほど姪っ子へのプレゼントにぴったりなものはありません。
彼にお礼を言いかけたとき、彼は私の言葉を遮るようにして言いました。
「ああ、時間だ。」

「私はもう行かなければなりません。またプレゼント選びで困っている人がいる。」
私はひどく寂しい気持ちになりました。行かないでくれと言おうとしましたが、口が思うように動いてくれません。
「そんな顔をしないでください、私はどこにでもいる傘です。でも、、」
彼は照れ臭そうに続けて言いました。
「あなたに私の魅力を伝えることができたようで良かった。またどこかでお会いしましょう。」

気がつくと私は部屋の壁にもたれかかって座り込んでいました。
先ほどの体験は一体なんだったのだろうか…
そう思いながらテーブルの方を見ると、そこにはUN-BANANAがありました。
私はそれを手に取りました。もう何かを話す気配は微塵も感じられません。
「…誕生日用の包装を探しに行かなきゃな。」
私はそう呟いて部屋を後にしました。

Tumao 折り畳み傘 UN-BANANA まとめ

「お子様に喜ばれる鮮やかで滑らかなデザインの折り畳み傘です。コンパクトで携帯しやすく、ケース付きなので使用後に収納してカバンに入れることも可能です。雨の日の外出がきっと楽しくなりますよ。他の人と被らないデザインの傘が欲しいという方や、周りの人を驚かせたいという方もぜひ私をお試しください。」ー UN-BANANA
※このストーリーはフィクションです。実際の商品は喋りません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です